ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、レンジローバーをフルモデルチェンジし、2013年3月から発売した。レンジローバーは2005年9月にレンジローバースポーツが登場したときから、レンジローバー・ヴォーグというサブネームを持つようになっていたが、今回のフルモデルチェンジに合わせて車名を元のレンジローバーに戻し、ヴォーグはグレードになった。
今回のモデルが4代目となるレンジローバーは、SUVとして初めてオールアルミ製のモノコックボディを採用したのが大きなポイント。これによって従来モデルに比べて400kgもの大幅な軽量化を実現したという。
外観デザインは変化ではなく進化を基本テーマに、レンジローバーらしさをしっかり残しながらも、やや抑えた全高や空力処理などによって空力特性を向上させ、LEDランプなどの新しい技術も盛り込んだ。
インテリアも直線基調のインパネデザインなどは従来と変わらず、レザー、ウッド、メタルなど、選び抜かれた素材を使うことで、洗練されたラグジュアリーなデザインが表現されている。
搭載エンジンはV型8気筒5.0リッターの自然吸気仕様が276kW(375ps)/510N・mの動力性能を発生し、スーパーチャージャー仕様は375kW(510ps)/625N・mの動力性能となる。いずれも電子制御8速ATと組み合わされる。
レンジローバーが最初に採用したさまざまな路面に対応した走りを実現するテレインレスポンスは、今回のフルモデルチェンジでテレインレスポンス2へと進化し、オンロードからさまざまな条件のオフロードに至るまで、自動的にモードを選択して最適な走りが得られるようになった。
アプローチアングルが34.5度、デパーチャーアングルが29.5度、最低地上高は296mm、渡河水深が900mm、高度4500mの高地での走行も可能とするなど、さまざまなシーンでの走破性のスペックも高水準にある。
ランドローバーとして5世代目となる電子制御エアサスペンションが4輪に採用されるほか、6ピストンのブレンボ製高性能ブレーキも採用されている。インテリジェントエマージェンシーブレーキを始めとする先進の安全装備の設定もある。
自然吸気エンジンの搭載車がヴォーグ、スーパーチャージャー仕様エンジンの搭載車はスーパーチャージド・ヴォーグとオートバイオグラフィの2グレードで、合計3グレードのバリエーションとなる。
■2014年1月
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、高級SUVのレンジローバーの2014年モデルに、最新鋭のV型6気筒3.0リッターのスーパーチャージド仕様エンジンをラインナップに加え、2013年10月1日から発売すると発表した。
2014年モデルでは、V型8気筒5.0リッターの自然吸気エンジンに代わり、V型6気筒3.0リッターの直噴スーパーチャージド仕様エンジンを搭載した。このエンジンは250kW(340ps)/450N・mのパワー&トルクを発生して電子制御8速ATと組み合われるとともに、ストップ/スタート・システムを標準装備することで、燃費性能を高めている。
なお、このストップ/スタート・システムは、レンジローバーの2014年モデル全車に標準装備されている。
また渡河時の水深限界などを表示するウェイド・センシング機能やパークアシスト機能、さらに駐車場から後退して出庫するときの交差交通の危険を知らせるリバース・トラフィック・ディテクションなどの機能が新たにオプション設定された。
■2016年12月
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは「レンジローバー」の2017年モデルを2016年12月8日に発表し、受注を開始した。
2017年モデルでは最高出力258ps、最大トルク600Nmを発生する3.0リッターV6ターボディーゼルエンジンを新たにラインアップ。さらにデジタルメーター類だけではなく、フルスクリーンナビゲーションディスプレイとしても活用できる12.3インチTFTインストルメントクラスター、高速かつ直感的なタッチ操作が可能な10.2インチのインフォテインメントシステム「インコントロールタッチプロ」を全グレードに標準装備している。
「インコントロールタッチプロ」システムには通信機能の追加が可能(オプション)で、ロードサイドアシスタンスが必要になったり、乗員の急病時にオペレーターと会話したり、アプリを介して車両位置情報やトリップデータ、ドアやウインドウの開閉状況の確認、施錠やエアコンの遠隔操作が可能だ。
さらに後方から追い抜く車両を検知してミラーに警告表示を点滅させるブラインドスポットモニター、ドライバーが車線変更を続けた場合、ステアリングに逆方向の力をかけて衝突を回避するブラインドスポットアシストを新たに採用するなど、先進的な安全装備をパッケージオプションとして用意している。
2017年モデルではスペシャルビークルオペレーションズ(SVO)が設計、開発を手掛けた「SVオートバイオグラフィーダイナミック」が新たに設定された。このグレードには最高出力550ps、最大トルク680Nmを発生する5.0リッターV8スーパーチャージャー付きエンジンが搭載される。エクステリアはグラファイトアトラス仕上げのフロントグリル、ボンネットフィニッシャー、SVOサイドベント、レンジローバーでは初となるブレンボレッドキャリパーなどの専用アイテムを装着。インテリアは4色から選べるダイヤモンドキルテッドステッチを施したセミアニリンレザーシート、ノール加飾が施されたスイッチ類など、高級感のある仕上がりを見せている。