フェラーリ・ジャパンは、昨年のフランクフルトモーターショーで発表された「フェラーリ・ポルトフィーノ」を、2018年2月19日に日本初披露した。
「ポルトフィーノ」はリトラクタブル・ハードトップを採用した4シーターのクーペコンバーチブル。搭載されるリトラクタブル・ハードトップは低速走行中でも約14秒でベルリネッタ(クーペ)からオープントップ・スパイダーとなり、「カリフォルニアT」に対してスマートかつスポーツ性を際立たせたスタイリングを特徴とする。ラゲッジスペースはルーフのクローズ状態で292Lと広く、リヤシートのスペースと合わせてちょっとした小旅行に対応できるスペースが確保されている。
パワーユニットは「カリフォルニアT」にも搭載され、2016年と2017年の2年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した3.9リッターV8ターボの改良バージョン。エンジン制御とソフトウェアの見直しによって最高出力441kW(600ps)/7500rpm、最大トルク760Nm/3000~5250rpmの性能を発揮する。0-100㎞/h加速3.5秒、0-200㎞/h加速10.8秒、最高速度320km/hのパフォーマンスを誇り、燃料消費量10.7L/100㎞の経済性も確保されている。ブレーキ性能についてもカーボンセラミックブレーキを標準装備。100㎞/hからの制動距離は34mという。
ビークルダイナミクス特性も見直されており、このクラスとしては初搭載となる第3世代の電子リヤ・デファレンシャル(E-Diff3)は、F1-Tracとの組み合わせによりメカニカルグリップだけではなく、限界域でのコントロール性も改善されている。また、EPSとE-Diff3を統合することで高速走行時の安定性を犠牲にすることなく、ステアリングギヤ比を7%引き下げてステアリングレスポンスを向上。磁性流体(MR)ダンピングシステム(SCM-E)はデュアルコイル・テクノロジーによりロールを抑えながら乗り心地の向上に貢献している。
装備については10.2インチ・タッチスクリーン画面のインフォテインメントシステム、ルーフの開閉にかかわらず快適性を向上させるエアコンシステム、新型ステアリングホイールのほか、18通りに調整可能なパワーシートは新デザインバックレストの採用によって、後席足元スペースが拡大されている。また、オープン時のキャビンに流入するエアフローを30%削減、風切り音を低減させる新ウインドディフレクターも装備された。