■2013年9月
トヨタはトヨタブランドの最上級セダンであるクラウンマジェスタをフルモデルチェンジし、6代目モデルを2013年9月9日に発売した。
ボディはロイヤルやアスリートをベースにホイールベースを75mm延長しているが、従来のマジェスタと同じ長さであり、ボディの全長×全幅×全高については従来のモデルに対してわずかながら小さくなっている。
外観デザインはクラウンロイヤルと同様に王冠をイメージした大型のフロントグリルを持つ。ロイヤルが横桟基調なのに対し、マジェスタは伝統の縦バー方式を採用する。また4灯式のLEDヘッドランプが精悍なイメージを演出している。ロングホイールベースにより、伸び伸びしたサイドビューを持つのも特徴だ。
インテリアは基本造形はクラウンロイヤルなどと同じながら、マジェスタらしいラグジュアリーさが存分に表現されている。日本の美意識を生かした質感を表現すると同時に、先進的な操作性を実現するトヨタマルチオペレーションタッチを採用し、伝統と革新を調和させた室内空間を作った。
シート表皮などに2色の厳選された本革を採用するほか、インパネやドアトリム、ステアリングホイールに加え、前席シートバックにも木目調の加飾を設定し、前席だけでなく後席の空間もラグジュアリーさが演出されている。その後席空間はロングホイールベースによってゆとり十分の足元空間が広がる。
ロングホイールベース化にもかかわらず、国内での取り回しに配慮して最小回転半径を5.3mにとどめているのもポイントだ。ハイブリッド用バッテリーをトランクの前方に搭載しながら、ゴルフバッグ4個を収納するのに十分なトランク容量が確保されている。
パワートレーンは従来はV型8気筒エンジン+電子制御8速ATを搭載していたが、今回のモデルでは全車がハイブリッド化され、GS450hに搭載されるのと同じV型6気筒3.5リッターエンジン+電気モーターのTHS-IIに変わった。
エンジンはGS450hとは微妙にチューニングが異なり、215kW/354N・mを発生する。1KM型の電気モーターは147kW/275N・mで変わらない。組み合わされるトランスミッションは電気式無段変速機だ。燃費は従来の9.1km/Lから18.2km/Lへと2倍に向上した。
装備は全体に充実したものが用意され、運転支援システムは、斜め後方の死角をカバーするブラインドスポットモニターやアダプティブハイビームシステムを標準装備するほか、クルマの周囲の状況を俯瞰映像で表現するパノラミックビューモニターをオプション設定する。
グレードはマジェスタと同“Fバージョン”の2グレード設定で、“Fバージョン”には後席重視仕様となるほか、ベースのマジェスタではオプションのプリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)が標準装備される。