■2016年4月
ポルシェジャパンは2016年2月に予約受注を開始した「718ボクスター」および「718ボクスターS」を同年6月1日に発表した。
この718とは1950~60年代のタルガフローリオ、ル・マン24時間レースなど、数々のレースで活躍したモデル名を受け継いだもの。最大のトピックは先代に搭載されていた水平対向6気筒が水平対向4気筒ターボに置き換わったこと。718ボクスターには最高出力220kW(300ps)、最大トルク380Nmを発揮する2.0リッターエンジンが搭載される。
上位モデルとなる718ボクスターSは排気量が2.5リッターとなり、最高出力と最大トルクはそれぞれ257kW(350ps)、420Nmの性能を得ている。Sモデルには911ターボにも採用されるバリアブルタービンジオメトリー(VTG)を用いたターボチャージャーが用いられている。効率性にすぐれるターボは先代に対して26kW(35ps)のパワーアップをもたらし、トルクも718ボクスターで100Nm、718ボクスターSでは60Nmの向上を実現。ポルシェのターボコンセプトに伴い、両モデルとも13%の燃費向上を果たしている。組み合わされるトランスミッションは6速MTとPDKの7速ATだ。
新しいパワーユニットの搭載によって動力性能は向上し、0-100km/h加速タイムは718ボクスターはPDKと「スポーツクロノパッケージ」仕様車で4.7秒(0.8秒向上)、同仕様のボクスターSで4.2秒(0.6秒向上)。最高速度も718ボクスターは275km/h、718ボクスターSで285km/hに達する。
動力性能の向上によって足まわりは見直されている。電動パワステは応答性を10%ダイレクトに設定することで日常使いからサーキットまで、より俊敏で操縦しやすくなっている。718ボクスターには車高が10mm低い「ポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステム(PASM)」が、718ボクスターSには20mm低い車高の「PASMスポーツシャシー」がそれぞれオプションとして設定されている。両モデルのアクティブシャシーはロングドライブにおける高い快適性と、ダイナミックかつ剛性感あふれるスポーティな操縦性をもたらすという。
オプションの「スポーツクロノパッケージ」は911と同様にノーマル、スポーツ、スポーツプラスの3モードに加え、インディビジュアルプログラムが設定可能。PDKにはスポーツレスポンススイッチが追加され、エンジンとPDKのレスポンスを一段とダイレクトに設定することが可能だ。